翡翠の価値を高める3つの基準

2019年5月29日 水曜日

翡翠の価値を高める3つの基準

INDEX

  1. 1. 日本古来より大切にされてきた翡翠の特徴
  2. 2. 翡翠の価値を決めるポイントは種類・色ツヤ・産地の3つ
    1. 硬玉(ジェダイト)か軟玉(ネフライト)かで価値がちがう
    2. 代表的な緑色のほか紫色の翡翠も価値が高い
    3. 質の高い翡翠の産地はミャンマー
  3. 3. 身につけるほど美しくなる翡翠のお手入れ方法
    1. 翡翠は普段から身につけることで美しい光沢を保てる
    2. 表面に傷がつきやすいため柔らかい布などでクリーニングを
  4. 4. 翡翠の価値は種類・色ツヤ・産地の3つの基準で決まる

緑色の宝石といえばエメラルドですが、日本や中国では「翡翠(ジェード)」が緑色の宝石の代表格でした。とくに中国では古来より王の象徴とされ、「玉」と呼ばれて珍重されてきた石です。また、翡翠はエメラルドとともに5月の誕生石でもあり、魔除けやお守りの効果があるパワーストーンとしても知られます。

しかし、まさに玉石混淆(ぎょくせきこんこう)の言葉どおり、翡翠にも価値のあるものとそうでないものがあります。そこで今回は、翡翠の価値を見分けるための3つのポイントを解説します。また、翡翠は普段から身につけることで美しさを増す特徴があるため、翡翠の正しいお手入れ方法を知っておくことも大切です。

日本古来より大切にされてきた翡翠の特徴

日本や中国などのアジア圏では、古来より緑色の宝石といえば翡翠を意味しました。日本における翡翠の歴史は長く、約7000年前の縄文時代から翡翠が装飾品や実用品として珍重されてきました。日本最古の歴史書である古事記にも翡翠は登場し、古くから大切にされてきたことがわかります。そうした長い歴史もあり、2016年には日本を代表する石として「国石」に選ばれました。

翡翠には硬玉(ジェダイト)と軟玉(ネフライト)の2種類があり、現在では硬玉のみ宝石だと認められています。翡翠といっても、硬玉と軟玉では鉱物学的にまったく別物です。硬玉も軟玉も、宝石の硬度をあらわすモース硬度は水晶よりも低いですが、そのかわりに割れにくさをあらわす靭性がダイヤモンドやサファイヤよりも高く、もっとも割れにくい宝石のひとつです。

翡翠の価値を決めるポイントは種類・色ツヤ・産地の3つ

翡翠の価値の基準となるポイントは、翡翠の種類、カラーバリエーション、産地の3点です。現在では、価値を持つとされているのは軟玉ではなく、硬玉のみです。さらに色ムラのなく澄んだ緑色をしており、良質な産地であるミャンマー産の翡翠は、ほかの宝石にも負けず劣らず高い価値を持ちます。

硬玉(ジェダイト)か軟玉(ネフライト)かで価値がちがう

硬玉(こうぎょく)と軟玉(なんぎょく)のうち、中国では古来より軟玉が「玉」として珍重されてきましたが、現在では硬玉にのみ宝石としての価値があります。硬玉が美しいとされるのは、美しく輝く翡翠輝石(ひすいきせき)が主成分だからです。軟玉には翡翠輝石が含まれておらず、硬玉とはまったく別の鉱物組成を持ちます。

代表的な緑色のほか紫色の翡翠も価値が高い

翡翠のうち、硬玉(ジェダイト)には鉱物組成によってさまざまなカラーバリエーションがあります。翡翠の代名詞でもある緑色のほか、赤やピンク、青、黄、黒、白、オレンジ、薄紫などが存在します。

近年でもっとも価値があるのは、明度とツヤがあり、澄み切ったグリーンの翡翠です。こうした特徴を持つ翡翠のことを「琅かん(ろうかん)」やインペリアル・ジェードといい、もっとも価値が高いとされています。琅かんに次いで、紫色が強く出た「ラベンダーヒスイ」にも高い価値があります。

質の高い翡翠の産地はミャンマー

硬玉翡翠の主要な産地は、ミャンマー、ロシア、カザフスタン、グアテマラ、トルコ、日本などです。翡翠の最大の産出国はミャンマーで、もっとも質の高い翡翠の産地としても知られています。ミャンマー産の翡翠は、翡翠の主成分である翡翠輝石の含有率が高く、透明度やツヤが備わっているのが特徴です。

身につけるほど美しくなる翡翠のお手入れ方法

翡翠は身につければ身につけるほど美しくなる宝石とされ、日々のお手入れ次第では更に輝きを放ちます。翡翠は靭性が高いかわりにモース硬度が低く、割れにくいが傷つきやすいという特徴があるため、お手入れには注意が必要です。

翡翠は普段から身につけることで美しい光沢を保てる

翡翠には表面に脂分がつくことで、いっそう光沢が増すという性質があります。翡翠の鑑別書を見ると、ワックス加工について記載されていることがあるのはそのためです。翡翠を普段から身につけることで、皮膚の油分がワックスの役割を果たすため、翡翠は使い込めば使い込むほど美しく輝きます。

表面に傷がつきやすいため柔らかい布などでクリーニングを

翡翠には、モース硬度が水晶よりも低いという特徴があります。モース硬度の基準は「ひっかき傷のつきやすさ」であるため、翡翠は表面に細かい傷がつきやすい宝石です。したがって、お手入れの際はセーム革ややわらかい布を使いましょう。翡翠の保管の際は、ほかの宝石や貴金属と分けておくことも大切です。

翡翠の価値は種類・色ツヤ・産地の3つの基準で決まる

今回は、翡翠の価値を高める3つの基準を解説してきました。翡翠には硬玉と軟玉の2種類があり、宝石としての価値を持つのは硬玉だけです。澄み切った緑色や紫色の翡翠はとくに価値が高いとされています。また、ミャンマー産の翡翠には高品質なものが多く、覚えておくと便利です。

守屋啓
著者・監修:守屋 啓(もりや はじめ)
一般社団法人 宝石鑑別団体協議会(A.G.L)所属のAGTジェムラボラトリーにてグレーダーとして色石・ダイヤの鑑別に従事。その後、世界的に権威のある鑑別機関、GIA JAPANのG.G.(グラジュエイト・ジェモロジスト)プログラム講師として活躍。GIAが日本撤退後は、各地で宝石鑑別の講師として活躍する第一人者。