真珠は経年劣化する?長持ちさせるためのお手入れや保管方法は?

2019年11月19日 火曜日

真珠は経年劣化する?長持ちさせるためのお手入れや保管方法は?

INDEX

  1. 1. 真珠は有機物であるため劣化しやすい
  2. 2. 真珠が劣化する原因は身のまわりに多く存在する
    1. 1. 酸(汗・酸性食品など)
    2. 2. 光・紫外線
    3. 3. 高温
    4. 4. 酸素(酸化)
    5. 5. 水分
    6. 6. 質の悪い真珠は剥がれてくることもある
  3. 3. 真珠を劣化させないための使用後のお手入れ・保管方法
    1. 1. 使用後はすぐに拭く
    2. 2. 暗所に保管する
    3. 3. 高温多湿を避ける
  4. 4. 正しくお手入れをして、もっと身近に真珠を楽しみましょう!

長く使っていない真珠を買い取ってもらいたいと思って査定に出すと、少ししか身につけていないのにほとんど値が付かなくてショックを受けたという人は少なくありません。真珠は、ダイヤモンドやルビーなどの宝石と違って経年劣化するため、査定額が低くなりやすいのです。

ここでは、真珠が劣化する理由と原因、劣化のスピードを遅くするための手入れや保管の方法についてご紹介します。

真珠は有機物であるため劣化しやすい

真珠は、二枚貝がなかに入ってきた異物を真珠層で包み込んだ結果できたものです。養殖では、貝の中に核となるものを入れ、貝に真珠を作らせます。真珠層はカルシウムとたんぱく質の膜が交互に積み重なっており、これが厚くなればなるほど大粒でツヤのある真珠になります。

真珠も宝石のひとつとして扱われていますが、無機物であるダイヤモンドやルビーなどとは異なり、有機物であるため、「生きた宝石」ともいわれます。無機物は半永久的に劣化しないのに対して、有機物である真珠は経年劣化しやすいのが特徴です。

真珠は結婚式やお葬式などあらたまった席で身につけることがほとんどで、普段はしまいっぱなしになっていることが多いのではないでしょうか。久しぶりにつける機会があって取り出してみると、真珠の輝きが鈍くなっていた、へこみができていたといったケースも少なくありません。酷いときには、真珠の表面が剥がれてくることもあります。

真珠が劣化する原因は身のまわりに多く存在する

上述したとおり、真珠は主にカルシウムとたんぱく質からできています。そのため、これらの成分が苦手とするものが真珠に触れると、劣化する原因となります。身のまわりに存在する主な劣化原因を6つご紹介しましょう。

1. 酸(汗・酸性食品など)

真珠の成分の92%はカルシウムです。このカルシウムは、酸に触れると溶けてしまう性質を持ちます。
一番気をつけなければいけないのが汗です。汗にも酸が含まれているため、つけた後はすぐに柔らかい布などで優しく拭き取る必要があります。
また、酸性の食品や化粧品、香水なども真珠の劣化の原因となります。食事のときには真珠のアクセサリーに食品がつかないよう気をつける、真珠のアクセサリーは全ての身支度を終えてからつける、といったことに留意してください。

2. 光・紫外線

太陽の光に含まれる紫外線は、真珠の変色や色あせの原因となります。太陽の光だけでなく、店内の強い照明や赤外線ヒーターなどにも注意しましょう。
とくに、淡水真珠や黒真珠の色素は光や熱に反応しやすいため、室内の照明に近い所などに長時間置いておくことは避けてください。

3. 高温

高温状態に置かれると、真珠内部の水分が蒸発し、亀裂や断層が生じることがあります。これが真珠の割れにつながる場合もあるので注意が必要です。
また、温度が高くなると真珠の成分のひとつであるたんぱく質が変質し、色味が変化してしまう恐れもあります。

4. 酸素(酸化)

空気中の酸素による酸化も、真珠の劣化原因のひとつです。とくに、ブルー系のパールは酸化によって色あせやすいので注意してください。

5. 水分

湿度が高い環境では、空気中の二酸化炭素が水分に溶けて炭酸となります。最初の劣化原因で述べたように、炭酸も酸性のため真珠のカルシウム成分を溶かしてしまいます。 また、水道水には殺菌のための塩素が含まれているほか、雨にも酸性物質(酸性雨)が含まれています。これらの水分にもできるだけ触れないようにすることが大切です。

6. 質の悪い真珠は剥がれてくることもある

粗悪な真珠の場合、真珠層の巻き方に問題があり、層の間にすき間があることがあります。このような真珠は、経年劣化で真珠層が剥がれ落ちてくるケースも見られます。 そうなると、元の真珠の形状すら保てないため、価値がないばかりか、身につけることも困難になってしまうでしょう。

真珠を劣化させないための使用後のお手入れ・保管方法

有機物である真珠は、どうしても劣化を避けることができません。しかし、劣化のスピードを遅くし、できるだけ長い間美しい状態を保つために私たちができることがあります。 それは、真珠を使用した後のお手入れ方法と保管方法です。次の3つの点に留意してみてください。

1. 使用後はすぐに拭く

前述のように、真珠は酸や水分に弱いため、使用後はすぐに優しく拭きとることが必須です。間違っても酸性の洗剤などで洗わないようにしてください。

2. 暗所に保管する

光や紫外線は真珠の変色につながります。箱に入れるなど、かならず光が当たらない暗所に保管するようにしましょう。

3. 高温多湿を避ける

高温も多湿も、ともに真珠の美しさを損なう要因です。高温にならない保管場所を確保し、湿気や空気を通さない密閉状態にして保管することが理想です。

正しくお手入れをして、もっと身近に真珠を楽しみましょう!

ご紹介したように、真珠は経年劣化する宝石です。大切にとっておくのではなく、たくさん身につけないともったいないでしょう。ぜひ、いろいろなシーンで身につけて楽しんでください。

また、もし眠っている真珠があれば、できるだけ早めに「色石BANK」へお売りください。ほかの貴金属と違って、真珠は時間が経てば経つほど価値が下がってしまいます。身につけない真珠は、早めの買取がおすすめです。

守屋啓
著者・監修:守屋 啓(もりや はじめ)
一般社団法人 宝石鑑別団体協議会(A.G.L)所属のAGTジェムラボラトリーにてグレーダーとして色石・ダイヤの鑑別に従事。その後、世界的に権威のある鑑別機関、GIA JAPANのG.G.(グラジュエイト・ジェモロジスト)プログラム講師として活躍。GIAが日本撤退後は、各地で宝石鑑別の講師として活躍する第一人者。